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第10話「愚弄」“Ridicule” のあらすじ
米国初放送日:2001年12月14日 日本初放送日:2008年9月20日
自己性愛中の女性が、寝室で死亡しているのを夫が発見。当初は行為の最中に女性がコントロールを失い、首にロープが絡まって窒息死した事故と判断していた。夫を事情聴取するが、何かを隠しているような印象を受けるオリビアとステイブラーだった。死んだ女性に最後に会っていたのが、弁護士のパム・アドラーとアメリア・チェイスだとわかり、SVUで調べることに。
女性弁護士たちは、男性上位の社会で共に闘う戦士のような結束を固めていた。その後、再び夫を事情聴取すると、2人は薬物依存症のリハビリ施設で出会って結婚し、妻が再び薬に手を出してしまい、独身さよならパーティーで男性ストリッパーと友人を暴行したことを明かすのだった。そして、男性ストリッパーが薬を盛られてレイプされたと訴えていることがわかる。
ベンソンは男性がレイプされたと信じるが、ステイブラーは力の強い男性がレイプの被害者になるなどとは到底信じがたかった。しかし、ステイブラーの真意に反して、SVUではレイプ事件の捜査を開始する。
第10話「愚弄」を視聴した感想
個人的評価:
最初に、今回アメリア・チェイス役でゲスト出演するダイアン・ニールは、後にキャボットの後続として務めるSVUの検事ケーシー・ノヴァク役でメインキャストとなります。最初見た時は似ているなぁ~という印象しかなかったのですが、徐々に確信に。まさかとは思ったのですが、あまりにも対照的なキャラだったので、信じられませんでした。面白いですね。
このストーリーは、レイプの形が逆転の発想ということで、男性でもレイプ被害に遭うのかと驚きました。この事象を「メイル・レイプ」というそうです。主に同性愛者の男が他の男性をレイプする(ソドミー)事件が多く、女性よりも力で勝る男性への異性からのレイプは珍しいと言えるでしょう。
実際に起きた事件として、日本では2006年8月19日に起きた埼玉児童性的虐待事件や、2007年3月に起きた和歌山少年暴行事件などがあります。いずれも児童養護施設内での犯行で、保護されている少年を女性職員が虐待するという事件でした。広く海外では、アメリカの戦争介入に於いて捕虜とされた兵士をレイプした事件がありました。
この作品では成人男性を成人女性が襲うという形になっていますが、このようなとても難しいテーマを自然に扱う点で、SVUは他の番組より優れていると言えるでしょう。これは素晴らしい特徴で、番組の最大のセールスポイントの1つであり、後に番組がより変化に富んだものになったときでさえ、この番組以上のドラマは出現していません。
最初は違和感さえ感じた「愚弄」ですが、何度か視聴しているうちにシーズン3の中でも優れたエピソードの一つ。パワフルで示唆に富み、重要なポイントを突いています。珍しいエピソードで、レイプというテーマへのアプローチと男女逆転という点で、シーズン全般のエピソードの中でも際立っています。
ドラマらしさをあまり感じさせず、かつ不自然さもない良作。特にこれは予想外で、ケイシー・ノヴァクになる前のダイアン・ニールの全く違う一面を見ることができ、しかもそれがとても恐ろしいのですから、演技も文句なしです。脚本は、このテーマを尊重し、娯楽性と不安感をミックスさせ、この事件を扱う際に発見された問題を洞察した、巧妙でバランスの取れたものでした。
更に、逆レイプをありとするオリビアと、なしとするステイブラーの攻防が面白く、それが過大になり過ぎず、あくまでもプロ意識を揺るがすようなことがなかった点はとても自然でした。あまり見聞きしないシナリオですが、現実的で違和感がないのが高評価に繋がっています。
男性にもレイプ被害者がいることを忘れてはならないし、この題材を敢えて選んだことは賞賛に値するでしょう。また、犯人の描写も興味深く、女性ならではの冷たさで、男性よりも優位に立つことで満たされている「頭がよくて自分は無敵だと思っている」タイプが登場し、心底ゾクッとさせられました。
「女は怖し」
全体として、素晴らしいエピソードであり、非常に賞賛に値する作品でしょう。
第10話「愚弄」のゲスト
ダイアン・ウィースト=ノーラ・ルイン検事役
ダイアン・イヴリン・ウィースト(1948年3月28日生まれ)はアメリカ合衆国の女優である。ミズーリ州カンザスシティで生まれ、母親のアン・スチュワート(旧姓ケディ)は看護師であった。父親のバーナード・ジョン・ウィーストは大学の学部長で、米軍の元精神科ソーシャルワーカーであった。母親はスコットランド人でオーチタームフティー出身、父親はクロアチア人とドイツ人の血を引くアメリカ人である。 二人はアルジェで出会った。ウィーストにはグレッグとドンという二人の弟がいる。バレエダンサーを目指していたが、ニュルンベルク・アメリカン・ハイスクールの4年生の時に演劇に目標を切り替えた。1969年にメリーランド大学の芸術と科学の学位を取得して卒業した。
1986年の『ハンナとその姉妹』と1994年の『ブロードウェイと銃弾』でアカデミー助演女優賞を2度受賞(いずれもウディ・アレン監督作品)、また『ブロードウェイと銃弾』でゴールデングローブ賞1度、『アボンリーへの道』で1997年のプライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ部門優秀ゲスト女優賞、『イン・トリートメント』で2008年プライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ部門優秀助演女優賞を受賞している。また、1989年の『バックマン家の人々』ではアカデミー賞にノミネートされた。
2000年代以降は『40オトコの恋愛事情』(2007年)、『脳内ニューヨーク』(2008年)、『ラビット・ホール』(2010年)、『シスターズ』(2015年)、『レット・ゼム・オール・トーク』(2020年)、『パーフェクト・ケア』(2020年)等がある。
ダイアン・ニール=アメリア・チェイス役
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ペイジ・ターコ=パム・アドラー役
本名ジーン・ペイジ・ターコ(Jean Paige Turco、1965年5月17日生まれ)はアメリカの女優である。マサチューセッツ州ボストンでジョイス・ジーン(ジョドイン)とデヴィッド・ヴィンセント・ターコの間に生まれた。1歳の時、父親の死後、母親は彼らをマサチューセッツ州スプリングフィールドに移し、そこで彼女は育てられた。イタリア人、フランス系カナダ人、イギリス人の祖先を持つ。
幼い頃からバレエのレッスンを受け、クラシックバレリーナになることを計画していた。マサチューセッツ州ナティックのウォルナットヒル校に通い、1983年に卒業、ニューイングランドダンスコンサーバトリー、アマーストバレエシアターカンパニー、ウェスタンマサチューセッツバレエカンパニーでソリストとして出演する。足首の怪我により、プロバレエの可能性は絶たれた。彼女は後にこう語っている。
「もうバレエを見に行くこともできなかった。あまりに痛くて……」と。1987年にマサチューセッツ州ロングメドウのベイパス大学を卒業し、コネティカット大学で演劇を専攻した。
『ミュータント・ニンジャ・タートルズ2』『ミュータント・ニンジャ・タートルズ3』のエイプリル・オニール役で知られる。その他の代表作はABCソープオペラ『オール・マイ・チルドレン』のメラニー・コートランド、CBSシリーズ『CIA:ザ・エージェンシー』のテリー・ローウェル、CBSシリーズ『アメリカン・ゴシック』のゲイル・エモリ、『NYPDブルー』『サンフランシスコの空の下』『パーソン・オブ・インタレスト』へのゲスト出演などである。2014年から2019年まで、ドラマシリーズ『ハンドレッド』のアビゲイル・グリフィン役で出演している。
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