第1話「女たちの制裁」“Payback” のあらすじ
米国初放送日:1999年9月20日 日本初放送日:2007年1月30日
SVU(スペシャル・ヴィクティムズ・ユニット)について
冒頭でこのようなナレーションが毎回入ります。因みに、このナレーターを担当しているのは、アメリカの声優・ナレーター専門に活動している「スティーヴン・ザーンキルトン」という方です。
重厚に響く声が、これから起きるであろう深刻な事件を後押しするかのように、凄い緊迫感に包まれます。
SVU(スペシャル・ヴィクティムズ・ユニット)とは、この作品を視聴する限りでは「性犯罪全般」「未成年者虐待事件全般」「DV全般」など、特殊な犯罪を扱う捜査班で、精神的にかなりストレスのかかる部署と言えるようです。
ただの殺人でさえ大変な捜査なのに、それに加えて凄まじい虐待もあるのですからたまったものではありませんね。
日本ではこう言った犯罪専門の部署があるのかは定かではありませんが、アメリカほど多発している訳ではないので、特別儲けてはいないかもしれません。それでも日本人の奥ゆかしさのある性格から推測すると、性被害を受けても訴える人はごく一部と言えるのではないでしょうか。それほど難しい事件なのです。
ここにウィキペディアでの説明を貼り付けておきます。
SVUは、現実では市警刑事局に設置されているSpecial Victims Division(特殊事件捜査部)と、管区毎に設置されているSpecial Victims Squad(特殊事件捜査隊)が相当する部署。前者は分隊を統合的に監督する部署で2003年に設置された。後者は実働部隊となる。部長はDeputy Chief(警視正~警視長相当)が担う。組織名として“Sexual Assault”などの直接的な呼称ではなく“Special Victims”(特殊被害事件)という呼称を用いている。
SVDが対応する事案は以下の通り。
- 13歳未満の子供がなんらかの性犯罪被害に、既遂未遂問わず遭った場合
- 11歳未満の子供が両親からの虐待を受けた場合
- 強姦及び強姦未遂事件
- その他性犯罪事件
- 加重性的虐待
- 一級性的虐待
また、SVDの任務を補佐する目的で、以下の3つの部門が設置されている。
Sex Offenders Monitoring Unit(性犯罪者監視班)
性犯罪を企図するものを監視する。
Special Victims Liaison Unit(特殊被害連絡班)
学校や医療機関と連携を取り、性犯罪被害に関して教育などを行う。
DNA tracking Unit(DNA追跡班)
性犯罪捜査で採取された証拠品のDNAを整理し、他の事件の証拠と一致するものがないか監視する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
あらすじ
ニューヨーク市警SVUチームのエリオット・ステイブラーとオリビア・ベンソンが、雨の中事件現場に駆け付ける。確かに被害者は死んでいるし事件のようだが、SVUが関わるような事実が見当たらなかった。
先に現場に駆け付けていた警官に聞くと、男性器が切り取られていると・・・
そんな事件ばかりを扱っているSVUは、新人のブライアン・キャシディ刑事、陰謀説を好むジョン・マンチ刑事、活動的なモニーク・ジェフリーズ刑事、百戦錬磨の苦労を乗り越えたドナルド・クレイゲン主任警部、子供が4人いて家族を愛してやまないエリオット・ステイブラー刑事、独身で訳ありな生い立ちのオリビア・ベンソン刑事の6人で成り立っていました。
早速事件が入り、死体を犯した事件が飛び込んできたので、新人のキャシディが担当に。「相手が死体でも事件になるのか」と問いただすキャシディに、クレイゲンは「とにかく証拠を集めて尋問し、報告書を出せ」と諭す。
オリビアとマンチはメッタ刺し事件を捜査することに。いつもはステイプラーと組んでいるオリビアだったが、ステイプラーは法廷での証言が待っていたのだった。被告は議員で、公共の場で男性器を出したわいせつ行為で捕まっていた。
その後ステイプラーが弁護人に「何故SUVに入ったのか」と聞かれ「性犯罪は件数が多く深刻な問題だから」と答え、「セックスを否定する気はないが親として変質者は許せない。子供に粗末なものを見せたくない」と答える。
その言葉に反応した被告は、ズボンのジッパーを下げ裁判中にイチモツを出してしまうのでした。有罪間違いなし!ですね。
これは笑えるシーンですが、ベンソンとマンチが捜査を始めた事件は笑えませんでした。メッタ刺しにされて性器を切り取られた男性の名前はビクター・スパイサーで、暴行罪で刑務所に収監中だということ。それではこの被害者は一体誰なのか・・・
オリビアがスパイサーの免許証をクレイゲンに見せると、一目で偽造だと理解した。その後ライカーズ刑務所に行き、スパイサー本人と面会すると、免許証を100ドルで売ったと白状する。
ステイプラーたちは本物のスパイサーに言われた番地に行き、殺されたスパイサーとされる人物を突き止めると、本名はスティーブンだということを突き止める。スティーブンが何故スパイサーと偽ったのか。
その謎を追及すると、とんでもない事実が浮かび上がる。被害男性はセルビア人の民族浄化の戦犯だった。
オリビアは被害男性の素性を知ると妻の元に行き、「異常者と結婚するなんてどういう神経してるの!」と怒りをぶちまけてしまう。
今回はセルビアからの移民に対しての虐待及び性的暴行を扱った事件です。
エピソード1「女たちの制裁」を視聴した感想
個人的評価:
本作品がSVUの第1話だなんて信じられません。正直なところ、このエピソードは「番組が軌道に乗り、全盛期を迎えた」エピソードのように感じられ、また、疑問の余地がないほど多くのことがよく練られており、さまざまな側面が巧みに釣り合っているのです。今日に至るまで、全盛期の、そして全体的にも、この番組で最も優れたエピソードの一つです。
またシリーズの中で最も悲惨で、見ていて不快なエピソードのひとつです。悲惨な事件であること、被害者がこの番組で最も卑劣な人物であること。犯人の行為を容認できないにもかかわらず、ある意味で犯人に同情してしまうこと、などだけではなく、道徳的な問題を提起しているが、重苦しくなく、繊細に描かれており、オリビア・ベンソンというキャラクターが、驚くほど豊かに描かれているからです。また、全盛期を過ぎても番組の最高傑作の1つと言えるでしょう。
複雑で不穏な事件だが、詰め込みすぎず、こじつけでもなく、チームの私生活を面白くすることに成功しています。その側面は、過度に支配されず、過度にドラマチックに感じることもない。脚本は緊張感があり、示唆に富み、演出は十分な個性とスタイルを持ちながら適格です。全体的に、デビュー作とは思えない見事な滑り出しでしょう。
このエピソードでは、オリビアの母親であるセリーナ・ベンソンが登場する唯一のエピソードです。
ジョン・マンチ刑事(リチャード・ベルザー)がボルチモアで過ごした時間について言及されているのは、彼のキャラクターの原点である1993年から放送された刑事ドラマ「ホミサイド/殺人捜査課」シリーズを指しています。リチャード・ベルザーは他にも、クロスオーバーとなるテレビ映画『ホミサイド/殺人捜査課』や、映画『ホミサイド ザ・ムービー』(2000年)にも出演しています。
そして、ちょっと面白いトリビアですが、ステーブラー刑事が事件の証言台に立ったとき、被告の弁護士はステーブラーを「非伝統的」な性行為を認めない堅物と決めつけようとした。そのため、彼はステーブラーに「ニューヨーク市警のケン・スター」なのかと尋ねました。
ケン・スターは、米国巡回裁判所判事、連邦控訴裁判所判事、ブッシュ(シニア)政権時代の米国訴訟長官を歴任した米国の弁護士で、ビル・クリントン大統領の不正行為の独立調査を主導したことで最もよく知られています。ホワイトハウス実習生モニカ・ルインスキーとの性的関係に関して宣誓して嘘をつき、大統領が偽証罪を犯したことはあまりにも有名ですね。
このエピソードは本作品シリーズの初回ですが、数あるエピソードの中で最も悲惨で不快なエピソードの一つ。なんと言っても被害者がこの番組で最も卑劣な人物であること、犯人の行為を容認できないにもかかわらず、ある意味で犯人に同情してしまいました。
マリシュカ・ハージティの今までのキャラを覆すような力強い演技に、この一話で最後まで観ようと決心しました。
全体的に、デビュー作とは思えない見事な滑り出しで幕を開けた素晴らしいドラマということで、超おすすめです。現在見放題で視聴できるのはHuluのシーズン17からですが、出来れば最初からじっくりと見ていただくことをおすすめします。メインキャラの成長する姿はとても見ごたえがあります。
エピソード1「女たちの制裁」を視聴しはじめた経緯
最初にロー・アンド・オーダー:性犯罪特捜班を視聴したのは、確かHuluでのシーズン17からだったと思います。かなり前なので記憶が定かではありません。
初めてベンソン刑事を観た時に、「あれ?どこかで見たことがある」と思い、記憶を辿ってみたところ、『ER緊急救命室』に登場したシンシア・フーパー役の女優さん「マリシュカ・ハージティ」だとわかりました。
印象が180度変わっていたため誰なのかわからなかったのです。ERでは女性らしい奥ゆかしさのあるイメージだった彼女ですが、本作品では逞しくて気の強い真逆の存在。
女性の敵である性犯罪を捜査するタフな刑事を見事に演じ切っていたマリシュカは、普通の人間の自分にとってたちまちヒーロー的存在になりました。
シーズン17から20まで寝る間も惜しんで夢中で夜見をした後に、全シーズン観たい欲望に駆られ他で配信しているVODサービスを探すと、Amazonプライムでシーズン1~5までレンタルしていました。お金を払ってでも観たい!
その気持ちが抑えられず、ついに5シーズン分を購入しました。投資したお金は・・・
シーズン1:2,786円
シーズン2:3,010円
シーズン3:3,590円
シーズン4:3,010円
シーズン5:3,590円
しめて15,986円
このぐらいの金額だったら、自分へのご褒美という考え方もあるし、Amazonプライムテレビが存在する限り、無限に視聴できると考えたら安いものだと自分に言い聞かせています。
しかし、シーズン6~16までが問題でした。dTVでレンタルされていますが、1エピソード330円。全てをレンタルしたらいったいいくら?とうことで計算してみました。
数えたら250のエピソードがありました。結果は総額82,500円。しかもレンタルなので何度も視聴することは不可能です。
ところが、2022年11月あたりから、Huluでシーズン17~22までの配信に加えて、なんとシーズン1~10までの見放題が実現しました!!
これはSVUファンにとっては朗報中の朗報ですね。この機会に是非Huluで視聴してみて下さい。
今回はLAW & ORDER:性犯罪特捜班に魅了されてしまった経緯を綴ってみました。
エピソード1「女たちの制裁」のゲスト
ミリー・アヴィタル=マルタ・スティーブンス役
設計技師として働いているセルビアから亡命してきた女性。今回の被害男性から酷い性的暴行を受けていた。
本名:ミリー・アヴィタル(Mili Avital)
生年月日:1972年3月30日
出身地:エルサレム
身長: 163cm
職業:女優
活動期間:1992年~現在
主な出演作品
『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』5話
『白いカラス』
『アラビアンナイト』
『ダメージ』
ゴルダナ・ラショビッチ=アーニャ・ルゴバ役
レストランを経営するサラエボ人で、今回の被害者から夫と4歳の孫を殺された女性。
本名:ゴルダナ・ラショビッチ(Gordana Rashovich)
生年月日:-
出身地:-
身長: –
職業:女優
活動期間:-
主な出演作品
『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』3話
『Whoopi』
『LAW & ORDER:陪審評決』
『ロー&オーダー』
エリザベス・アシュリー=ティナ・ベンソン役
オリビア・ベンソンの母親。後にアルコール依存症だったことがわかるが、この時は娘の身を案じる普通の母親という印象。レイプされた末に出来てしまったオリビアを生んだ。父親であるレイプ犯をなぜ殺さなかったのかと問い詰めるオリビアに、「殺人犯になれば誰があなたを育てるの」と毅然とした態度を見せる。
本名:エリザベス・アン・コール(Elizabeth Ann Cole)
生年月日:1939年8月30日
出身地:フロリダ州オカラ
身長: –
職業:女優
活動期間:1960年~現在
主な出演作品
『駅馬車』1986年
『ロシアン・ドール: 謎のタイムループ』2019年
『エミリーの窓』1980年
『オーシャンズ8』
他多数

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