第5話「小さな殺人犯」“Baby Killer” のあらすじ
米国初放送日:2000年11月17日 日本初放送日:2008年2月12日
少女が射殺された事件から、捜査官は一人の少年に辿り着く。やがて、その銃が別の事件で使われたものであることが判明する。
アフリカ系アメリカ人の少女カーリー・ジャクソン(6歳)が、7歳のクラスメート、エライアス・バレラに校庭で銃で撃たれて死亡する。エライアスは銃をゴミ箱に捨てようとしているところを発見された。この恐ろしい犯罪に誰もが驚愕。エライアスの両親は法律を守る市民であり、家に銃はない。ステイブラーは、エライアスに犯行時の様子を聞き、銃をどこで手に入れたのかを問いただす。付き添っていた両親は、そこで弁護士を呼ぶと言って聴取が終わる。
マンチとチュツオラは生徒たちに聞き取り調査をし、ステイブラーとオリビアは、放課後エライアスを預かっているという老夫人のドロシア・ストラーダの元を訪ねて聞き取りをするが、手掛かりがつかめないまま捜査は難航する。
SVUにエライアスの担任教師が訪れて、彼が描いたという絵を見せられた。そこには、男の子が銃で女の子を売っているような絵が描かれていたのだった。
一方キャボットの上司であるチャーリー・フィリップス検事は、キャボットにエライアスを起訴しろという。キャボットは抵抗を見せるが・・・・・
第5話「小さな殺人犯」を視聴した感想
個人的評価:
このエピソードは、2000年2月29日にミシガン州マウントモリスにあるビュエル小学校で起きたケイラ・ローランドちゃん射殺事件を題材にしています。ケイラは、叔父のクラックハウスに住んでいたときに銃を見つけた6歳の生徒の仲間によって撃たれました。その6歳児は年齢的に起訴されなかったが、彼の叔父と母親は起訴されたということ。
「ケイラ・ローランドちゃん射殺事件」の場合は、加害者少年の生育環境の劣悪さから歪んだ精神状態になっていたことが原因ですが、本作品では両親とも善良な市民で、誤って撃ったという設定になっています。
本作品では、しばしば困難で複雑なテーマに取り組み、登場人物やキャラクターが良心と戦い、葛藤する道徳的ジレンマに直面し、事件解決にどう向かうかを主張しています。殺人や性的虐待の解決、法廷シーンなど、単なる手続き的な作品ではなく、その題材ゆえに見ていて不安になることが多いかもしれません。
今回のエピソードもその一つで、シーズン2のベストエピソードの一つであり、このシーズンだけでなく、初期のシーズン全体でも最も感動的で、涙を流し、怒りを覚え、心を揺さぶられるストーリーと言えるでしょう。
この題材は、登場人物たちがシーズン2最大のモラルのジレンマと戦わなければならない難題と言えます。アメリカの産んだ銃社会がもたらした、どうにもならない事件の1つ。しかし、キャボットの嫌な上司を除けば、憎むべきキャラクターがあまりおらず、最後に本当の悪人が出てこない数少ないエピソードの1つです。
今回はキャボットが奮闘した回でもあります。たった何ヶ月かの差で法廷で裁かれることになったエライアスを、なんとか両親の元に返してあげるべく奮闘する姿は、ステファニー・マーチのこれまでの出演作の中で、最高の演技だと感じました。
更に、エライアス役のニコラス・サルガドですが、こういう状況に陥った時の子供らしい演技(悲しみ、恐れなど)が際立っていました。セリフも棒読みではなく、本当に自然体なのです。果たして、この子役に匹敵する役者がいるのでしょうか。個人的には歴代の子役の中では一番だと思います。
このエピソードの脚本を書いたリサ・マリー・ピーターセンを始めとした5人の面々にも拍手!
第5話「小さな殺人犯」のゲスト
ニコラス・サルガド=エライアス・バレラ役
ニコラス・サルガド(ニコラス・マーティ・サルガドとしてクレジットされることもある)は、1992年12月17日、米国生まれ。
セサミストリートの「「エルモズ・マジック・クックブック/エルモの魔法の料理本」に2人の子供のうちの1人として出演した。
ニューヨークを拠点とする子役として、サルガドは『ブレス・ザ・チャイルド』に出演。ニューヨーク在住の子役として、本エピソードや『サード・ウォッチ』シーズン3 第6話「真実の行方」、『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』シーズン6 第16話「窮塞(きゅうそく)」にゲスト出演し、『ドーラといっしょに大冒険』で声優も務めた。
2006年には、インディペンデント映画『小さな逃亡者』(ウィル・リー主演の1953年作品のリメイク)で主役を演じています。
ジェフリー・デマン=チャーリー・フィリップス検事役
ジェフリー・デマンは1947年4月25日、ニューヨーク州バッファローに生まれた。イギリスのブリストル・オールド・ヴィック演劇学校で学んだ後アメリカに戻り、ナショナル・シェイクスピア・カンパニーに所属する。
パトリック・マイヤーズの演劇『K2』で、トニー賞主演男優賞にノミネートされる。また、「Spoils of War」、「Comedians」など、オンブロードウェイ、オフブロードウェイを問わず多くの舞台作品に出演している。
フランク・ダラボン監督のお気に入りとして知られ、「ショーシャンクの空に」(1994年)、「グリーンマイル」(1999年)、「マジェスティック」(2001年)、「ミスト」(2007年)など、作品4本全てに起用されている。
他の出演作品は『ブロブ』(1988年)、『Xファイル ザ・ムービー』(1998年)、「ハリウッドランド」(2006年)、『バーン・アフター・リーディング』(2008年)、テレビでは『ヒルストリート・ブルース』(1981年)、『新・刑事コジャック/虚栄の絆』(1987年)などにも出演。
『ウォーキング・デッド』のデール役で2010年から2012まで主要キャストとして起用。この作品は、ロバート・カークマンとトニー・ムーアによる同名のコミックシリーズを基に、フランク・ダラボンによって開発された作品である。
『ビリオンズ』では、チャック・ローデス シニア役として出演。
サラ・ラミレス=エライアスの母親バレラ夫人役
サラ・ラミレスは1975年8月31日にメキシコのマサトランで生まれ、両親の離婚後、7歳で米国に移住した。1997年にジュリアード・スクールを卒業しています。
1998年にはポール・サイモンのミュージカル「ケープマン」でブロードウェイデビューし、その後、2005年の「スパマロット」の湖の貴婦人役でトニー賞を受賞しました。
ABCのヒット番組「グレイズ・アナトミー」の239エピソードにカリー・トーレス医師役で出演し、2021年から始まった「セックス・アンド・ザ・シティ」のリブート版「AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章」ではチェ・ディアス役で好評を博している。
彼女は女優としてのキャリアに加え、シンガーソングライターであり、LGBTの権利を支持する活動家でもあります。「True Colors United」の理事会メンバーであり、サンディエゴ、ニューヨーク、サンフランシスコのLGBTセンターのメンバーでもあります。2015年には、ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団から「Ally for Equality Award」を授与されました。
2012年から2018年まで放送されたディズニーアニメ『ちいさなプリンセス ソフィア』では、ミランダ女王の声を担当。政治を描いたドラマ『マダム・セクレタリー』では、キャット・サンドオーヴァル役で2017年から2019年までの36エピソードに出演しています。
ジョシュ・パイス=ロバート・ソレンセン役
ジョシュ・パイスは1958年6月21日、ニューヨーク市マンハッタン区イースト・ヴィレッジ地区 アルファベット・シティ7番街という、お世辞にも環境が良いとは言えない場所で生まれ育った。父親はアインシュタインの理論物理学者で、母親は詩人で画家だった。彼の映画初主演は、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のラファエル役だった。
伝統的な俳優の訓練を受けた後、彼は「もっと何かある」と感じ、探求の旅に出たのです。世界中の先生やディレクターのもとでトレーニングを受けました。数年後、彼はそのすべてを結集し、「Committed Impulse」の創設者となりました。
その後、ショータイムの「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」でステュー・フェルドマン役を、Netflixのドラマ「マニアック」、HBOの「Mrs. Fletcher」でバリー役を、「サバヨミ大作戦!」でトッド・ヘラー役を、本作品のロバート・ソレンセン役の跡にハンク・エイブラハム役で準レギュラーに、「グッド・ワイフ」「ダメージ」「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」といった数々のレギュラー役や、初期の「セックス・アンド・ザ・シティ」ではモデリストとして活躍していることでも知られます。
ジョシュは、独立系映画やメインストリーム映画での際立った演技でよく知られています。最近の映画では、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』、エドワード・ノートン監督の『マザーレス・ブルックリン』、ニコール・ホロフセナー監督の『コネチカットにさよならを』などがある。
2022年から放送されているHuluのドラマ、『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』に、ウェイド役で出演していまs。
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