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エピソード16「遺体なきレイプ殺人」“Gone” のあらすじ
米国初放送日：2006年2月28日 日本初放送日：2010年12月15日
冒頭でチュツォーラとステイブラーがロン・ウェバリーを逮捕する場面から始まる。そして、マンチがジェイソン・キングを、オリビアがニック・プラットをそれぞれ逮捕。3人は裕福な家庭のティーンエージャーで、失踪中のカナダの女子学生、ジェニファー・ダーニングのレイプ殺人の容疑者である。
罪状認否でノヴァクは再拘留を求めるが、ジェニファーの遺体が発見されていないため、殺人の証拠がないとして起訴を棄却される。SVUでは、ロン、ジェイソン、ニック達に殺害を認めさせるか、遺体を見つけ出すかという確実な証拠を出すことが急務だった。
3人のDNA採取を実行した直後、ロンとニックはジェイソンが犯人だと供述を始める。しかしジェイソンは、従兄弟を裏切ることは出来ないと・・・。
エピソード16「遺体なきレイプ殺人」を視聴した感想
個人的評価：
「Gone』は、ナタリー・ホロウェイ事件を題材にしており、作品が公開されたのは、事件からたった9か月後のこと。そのため、世間の記憶にはまだ新しく、感情もまだ生々しい時期に制作されました。かなり密接に関係しているため、あの事件を知っている人は本作を見るのが辛かったかもしれません。
ナタリー・ホロウェイ事件について
ナタリー・アン・ホロウェイ（1986年10月21日生～2005年5月30日失踪）は、アラバマ州マウンテンブルックに住んでおり、旅行の数日前の2005年5月24日にマウンテンブルック高校を卒業しました。
ホロウェイは2005年5月30日にカリブ海の島から帰国する予定でしたが、飛行場に現れませんでした。 彼女のクラスメートが最後に彼女を目撃したのは、オラニエスタッドのレストラン兼ナイトクラブ「Carlos’n Charlie’s」の外でした。
捜査の結果、ヨラン・ファン・デル・スルート（1987年8月6日生）が彼女の失踪に関与した疑いで2度逮捕され、ディーパク・カルポーとサティシュ・カルポーのカルポー兄弟はそれぞれ3度逮捕されています。ホロウェイさんの両親は、娘と一緒にいるところを最後に目撃された3人の男の捜査と取り調べが進展していないとして、アルバニア警察を批判。
何百人ものボランティアの協力を得て、アルバの捜査当局は大規模な捜索活動を行った。FBIのアメリカ人特別捜査官、50人のオランダ人兵士、3機の特別装備のオランダ空軍F-16機が捜索に参加。地上での捜索に加え、ダイバーがホロウェイさんの遺体を求めて海を捜索しました。しかし、ホロウェイさんの遺体は発見されず、2007年12月18日、アルバニア検察当局は、誰も罪に問わずに事件を終結させると発表したのです。
2008年2月1日、マリファナの影響下にあったヴァン・デア・スルートが、ホロウェイさんは失踪当日の朝に死亡し、友人が遺体を処理したと発言しているビデオ映像を受け取ったため、アルバニア検察庁は事件を再開しました。 ヴァン・デア・スルートは後に自分の発言は事実ではないと否定し、インタビューでホロウェイさんを性的奴隷として売ったと発言。2012年1月、ヴァン・デル・スルートは2010年5月30日にペルーのリマで、21歳のステファニー・フローレス・ラミレスさんを殺害した罪で有罪判決を受けました。ホロウェイさんの父親の要請により、アラバマ州の裁判官アラン・キングは2012年1月12日にホロウェイさんが法的に死亡したと宣言しました。
2023年6月8日、ホロウェイさん失踪の主要容疑者であったヴァン・デル・スルートは、恐喝罪と電信詐欺罪の裁判を受けるためにアメリカに送還され、両罪はホロウェイさんの失踪に関連していたということです。
シーズン7の前半は作品の出来が大きく低迷し、評価の浮き沈みが激しかったのですが、「遺体なきレイプ殺人」はSVUの評価を巻き返す素晴らしさがあり、内心ホッとしました。本作品はシーズン7のベスト・エピソードのひとつであり、SVUのエピソードとしては「危険な革命家」以来のベストエピソードです。
脚本は知的で緊張感のある構成になっており、特に第一の証人を必死で探す法廷シーンには見入ってしまいました。非常に感情的で生々しい事件を忠実に再現しているにもかかわらず、事実を盗み取ったり、急ぎ過ぎるとは感じませんでした。ストーリーは常に引き込まれ、流れるようなテンポで進んでいくので、画面から目が離せなかったほどです。事態が急速に崩れていく緊迫感がとても良かったし、ノヴァクが1人の少年に気を遣う場面は感動的でした。シーズン6エピソード20「沈黙が招く悲劇」のように、彼女は以前にも何度も思いやりのある面を見せています。
結局、終盤で裁判には至らずに終わっていることに不満を覚えるかもしれませんが、それは問題ではなく、SVUらしい味わい深い結末と言えるでしょう。レギュラー陣は皆うまく機能しており、特にノヴァクとドネリーは素晴らしかった。ドネリーは私の嫌いなキャラクターと以前書いていましたが、今回は好きなキャラクターでした。オリヴィア・ベンソンはあまり目立たなかったのですが、妊娠中期に入っているのがわずかながら確認できる場面がありますよ。
ここで目立ったのが、普段は地味な役回りのフレッド・ダルトン・トンプソン。彼は今回のエピソードが最後の出演となります。彼の存在は「彼がいるだけで重厚な印象になる」です。今回はノヴァクの良いアドバイザーとして活躍しています。
今後のエピソードもこのようなクォリティの高いストーリーに期待していきたいです。
エピソード16「遺体なきレイプ殺人」のゲスト
ハリー・ジッテル＝ジェイソン・キング役
ハリー・ジッテルは1987年3月20日、米国ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。本作品の他に『バウンティー・ハンター』（2010年）、『ウッドストックがやってくる!』（2009年）、『ジョン・アダムズ』（2008年）などで知られる俳優。
ポール・デイビット・ストーリー＝ニック・プラット役
ポール・デヴィッド・ストーリーは、本作品の他に『TIME/タイム』（2011年）、『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』（2003年）、『メンタリスト』（2008年）などで知られる。
テディ・エック＝ロン・ウェバリー役
テディ・エックは1982年5月9日、米国カンザス州トピカ生まれ。本作品の他に『リンカーン』（2012年）、『Lights Camera Bullshit』（2014年）などで知られる俳優。
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