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エピソード14「歪んだ愛情」“Taboo” のあらすじ
米国初放送日：2006年1月17日 日本初放送日：2010年12月1日
犬が人間の胎盤をくわえていて、付近のごみ置き場から生まれて間もない男児が発見される。近所の住人を調べると、バーラというホームレスの女性が妊娠しているという情報を聞き、かのじょに事情を聞くが、なんと想像妊娠だった。
現場に残されていたアインシュタインというTシャツを手掛かりに捜査を進めると、エラ・クリスチャンセンという女子学生が捜査線上に浮かびあがる。オリビアがエラの部屋を訪ねると、へその緒を止めてあった同じクリップと、血まみれのシーツと同じ生地の枕カバーを見つける。
事情聴取をしたステイブラーとオリビアだったが、検査を拒否するエラにステイブラーは怒りのあまり怒鳴りつける。更に、エラは妊娠を認めようとせず、状況証拠ばかりで確実な証拠が得られなくSVUが焦っていると、彼女の様態が急変することに。
エピソード14「歪んだ愛情」を視聴した感想
個人的評価：
本作品は、テキサス州ヒューストン出身のアメリカ人女性で、2001年6月20日に5人の子供を浴槽で溺死させたアンドレア・ピア・イェーツ（1964年7月2日生まれ）の事件に、緩く着想を得ています。この事件のことは、本編内でクレイゲンも言及しています。
イェーツは、殺人に至るまで重度の産後鬱、産後精神病、統合失調症を呈していました。2002年の裁判では、ハリス郡の地方検事チャック・ローゼンタールが死刑を求刑。イエーツは死刑囚として有罪判決を受けましたが、陪審員は死刑判決を拒否します。そのため終身刑に処され、40年後に仮釈放される可能性があるとの判決を受けました。しかしこの評決は、精神医学の専門家の一人による虚偽の証言があったため、控訴審で覆されました。
2006年7月26日、テキサス州の陪審は、イエーツが心神喪失を理由として無罪であることを認めました。その結果、彼女は裁判所によってバーノンにあるセキュリティの高いノーステキサス州立病院に収容されます。その後、2007年1月にテキサス州カーヴィルにある低セキュリティの州立精神病院、カーヴィル州立病院に移されました。
本ストーリーは非常に不愉快な内容で、目と耳を塞ぎたくなるようなセリフも所々にみられました。また、レイプされて混乱状態の中で出産し、捨ててしまうような行為に対して、全ての責任が女性に転嫁されてしまうという実情は、同じ側として納得がいきません。このことはオリビア・ベンソンも最後まで当事者の女性に説得します。
また、ネタバレになりますが、普通に育った自分としては、この親子のような関係になることが理解できません。専門家の間では広く議論されていて、血縁者が大人になって初めて会ったときに、圧倒的な性的・恋愛的魅力を感じる「ジェネティック・セクシャル・アトラクション」と呼ばれる現象です。その理由は、遺伝的な類似性によって、血縁者の周囲で成長することによって、排除されるはずの強烈な性的感情が引き出されるためだそうです。人間の心理とはやっかいなものです。ホアンがこのことに言及しなかったのは意外でした。
本シリーズでは、とても難しく物議を醸すようなテーマが取り入れられているのはご存じかと思います。自身もこのことは称賛しています。だからこそこれだけの人気を誇る長寿番組になったのでしょう。派手なアクションもセリフもなく、殆どシリアスな線を崩すことなく20年以上も続いているのは、ドラマ自体の本気度が高いことを物語っています。
ゲストスターの選び方もこのストーリーに拍車をかけています。シュイラー・フィスク（エラ役）は異常なまでに父親を愛する娘を演じているし、ジェリコ・イヴァネク（エヴェレット・ドレイク役）はやはり凄い役者さんで、不気味感が半端なく伝わってきました。
オリビア・ベンソンが、この不気味な犯罪を否定したいかのようにエラに最後まで正統性を問い詰めるのは、自身もこういった事件になることを否定したい一心なのではないかと、女性の立場から感じてしまいました。実際私もエラにはベンソンの問いかけに「イエス」と言って欲しい願望がありました。それだけタブーな内容なのです。
しかし、実話に基づいた内容と前述していますが、それほどの共通点はなく、ただただ近親相姦をより強く押し出した不快なストーリーだったのが残念でなりません（もちろん、生まれて来た子供を不気味な物扱いすることも）。
世の中には様々な感情を持った人間がいますが、今回の内容は本当に衝撃的でこれが実際にあるのだとすれば、当人たちはすでに人間ですらないのでは、と感じてしまいました。
エピソード14「歪んだ愛情」のゲスト
シュイラー・フィスク＝エラ・クリスチャンセン役
本名シュイラー・エリザベス・フィスクは、アメリカの女優、シンガーソングライターである。女優のシシー・スペイセクとプロダクション・デザイナーのジャック・フィスクの間に生まれる（カリフォルニア州ロサンゼルス）。彼女にはマディソンという妹がいる。
子供の頃から学校の演劇に出演し、やがて映画にも進出するようになった。最初の役は、コミュニティシアターで上演された『シャーロットのおくりもの』のマルハナバチ役だった。小学校6年生のとき、『アニー』のタイトルキャラクターとして、初めて主役を演じた。
ジェリコ・イヴァネク＝エヴェレット・ドレイク役
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