Mナイトシャマラン監督渾身の力作“サイン”

『サイン』(Signs)は2002年のアメリカ合衆国のSFホラー映画です。M・ナイト・シャマラン監督の作品の中でも人気の高い映画の一つ。出演はメル・ギブソンさんとホアキン・フェニックスさん、ロリー・カルキンさんなど人気の俳優陣で固めました。2002年で最も高い収益を上げた映画の一つで、全世界で4億ドル以上の収益を上げました。

『シックスセンス』に続くM・ナイト・シャマラン監督の初期ブレイク作品の第二弾となります。宇宙人が登場するSF要素はもちろんのこと、家族のあるべき姿を描いたストーリー要素の濃い作品でもあります。

宇宙人襲来を信じる家族と否定するグラハム

牧師を辞めたグラハム・ヘス、その弟でメジャーリーガーになり損ねたメリル、グラハムの長男であるモーガン、そして長女のボーと4人暮らしの家族に起こる、世にも奇妙で恐ろしい事件を描いたストーリーです。

ある日グラハムの畑にミステリーサークルが突然現れ、その現象は世界各国にも出没します。メリル・モーガン・ボーの3人は宇宙人が現れたことを信じます。しかし、家長であるグラハムは交通事故で妻に先立たれ、信仰心を失って牧師を辞めてからは、抜け殻のようになり 「この世に起きることすべては偶然の産物」 としか考えられなくなっていました。

テレビのニュースでは毎日のように宇宙人が襲来したと騒がれていて、 メリル・モーガン・ボー も宇宙人から考えを読まれないようにと、アルミホイルを頭にかぶる姿がとてもコミカルですが、微笑ましく感じました。

交通事故のシーンに思わず感情移入

SFホラーという感じよりも、家族の絆的なファミリードラマに近い作品です。宇宙人が家の中に入ってきて危機的な状況に陥ったとき、グラハムの回想シーンが登場します。

交通事故の知らせを受けたグラハムが事故現場に駆け付けるシーンから始まって、妻の元に辿り着くまでの事故の状況や回りの警官たちがスローモーションで動いていく様子が、まるで終わりのないトリップの世界に入り込んでいるような感覚に襲われます。

親しい女性警察官が「奥さんは何とか生きている。だから事故現場の車を動かさないでおいたわ」というセリフが何を意味しているのか理解できた時、グラハムの表情が心配から絶望へと変わる様に、思わず感情移入してしまいました。

亡くなる直前、妻の言った一言がグラハムの心を動かしました。それは、「打って」という言葉。この言葉が弟メリルの行動と重要な関係があったのです。

M・ナイト・シャマラン監督のカメオ出演

https://shin-tayo.hatenablog.com より引用

映画撮影で監督がカメオ出演することはよくあることですが、中でもスティーヴン・キング監督やM・ナイト・シャマラン監督などは、よく映画の中に登場する監督として知られています。

この作品ではシャマラン監督は、カメオ出演にとどまらず主要キャストとして出演しています。

グラハムの妻を轢き殺してしまった加害者役で登場し、加害者の立場からの罪悪感や宇宙人の弱点を知る一人として重要な役割を担っていました。とてもいい演技力でしたね。

しかし、『ハプニング』では電話だけの声の出演だけに止まっていたようです。理由としては、シャマラン監督のカメオ出演はかなり有名でしたので、映画の内容よりも監督を探す方に集中してしまい、映画の内容が観客に伝わらないのではないかという懸念が生じたそうです。シャマラン監督がインタビューで語ったことを引用しておきます。

「脚本を書いているときに自分がやれるかなと思った役が一つあったんですけど、変なヤツになっていったのでやめました(笑)。実はだんだん難しくなってきているんです。僕がカメオをやることが有名になってしまって、それを観る人が探そうとしたり、僕が変なところで出たら、そこばかり観てストーリーを忘れちゃったり(笑)。そういうマイナス面があるんですよね。それに僕の独特の風貌も、“あの30代のインド人は何?”ってなって、そっちに気を取られてしまうので、なかなか僕をキャスティングする場所がないんですよ。コンピュータ・オタクとかクラブのオーナーとか、そういう役だったらすんなりはまるのにね(笑)」。

https://www.cinemacafe.net/article/2008/07/25/4353.html

撮影が始まったのは9.11同時多発テロがが起こった翌々日だった

映画に登場するトウモロコシ畑は、栽培から始まりあの大きさにしたということです。そして、ミステリーサークルもCGに頼らず本物を一から作ったという手の込みよう。そのため、撮影準備はかなり前から行われていたと想像できます。

更に、撮影が始まったのは、9.11同時多発テロが起こった翌々日だったのです。最初の撮影は、グラハムが事故現場に訪れる妻との別れのシーンということ。9.11テロにこの撮影シーンが重なるということを誰が想像できたでしょう。メル・ギブソンさんにとっても感情を表す場面としてとても難しいシーンではなかったでしょうか。

撮影を始める前には、キャンドルを灯してスタッフ一同で祈りを捧げたということ。アメリカ国民としての悲しみと、一人の男の絶望的な悲しみを撮るシーンが重なるという偶然の一致を、誰もが痛感せざるを得なかった状況でした。

宇宙人パニック映画としては上級の作品!

M・ナイト・シャマラン監督は、『シックスセンス』そしてこの作品、続けて『アンブレイカブル』と、3作品をブレイクさせると、暫くヒットがありませんでした。大ヒット作品となった3作品の高い壁を乗り越えるということがいかに大変なことだったのかわかるような気がします。

最新作の『ミスターガラス』で再びブレイクしましたが、シャマラン監督の発想には幼い子供が想像するような視点が多々あるようです。テレビ番組でよく扱われる超常現象や宇宙人は、誰もが見るものではなく真相も謎のままです。そこから発想を得て、シャマラン監督が想像する独特のフィクションに仕立て上げ、この3作品は花を咲かせました。

「本物の宇宙人がいるとしたらどんなもの?」と誰もが興味を掻き立てられる内容を発展させ、まるで本物のように作り上げてしまう巧みさは誰にも真似できないでしょう。また、この作品が宇宙人のストーリーだけに止まらず、登場人物一人一人に焦点を当て、観客を魅了していく内容は一流の映画と評価できるのではないでしょうか。

“サイン”の登場人物とキャスト

グラハム役:メル・ギブソン

交通事故で妻のコリーンに先立たれ、神を信じられなくなったため牧師としての仕事も辞めました。宇宙人で騒いでいる家族をよそに、「宇宙人など存在しない」と断固言い張ります。しかし喘息で苦しむ息子に対して、「怖がるな!怖いと思うと余計に苦しむ。治ると信じるんだ!」と信じる心を促します。

メル・ギブソンの主な出演作品

『マッドマックス』シリーズ 1979~1985年、『リーサルウェポン』シリーズ 1987~1998年、『ブレイブハート』1995年、『パトリオット』2000年

監督作品:『パッション』2004年、『アポカリプト』2006年、『ハクソーリッジ』2016年

メリル役:ホアキン・フェニックス

メリル役:ホアキン・フェニックス

グラハムの弟で、マイナーリーグ選手として数々の記録を持っています。しかし、バットを思いっきり振って三振となるようなワースト記録も。グラハムの家に居候しながら職を探しに軍隊に入ろうとして出向きますが、ライオネルと合い野球でのワースト記録を馬鹿にされます。宇宙人説を信じ、グラハムに説得しますが・・・

ホアキン・フェニックスの主な出演作品

『グラディエーター』2000年、 『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』2005年 、『ザ・マスター』2012年、『ジョーカー』2019年

モーガン役:ロリー・カルキン

モーガン役:ロリー・カルキン

グラハムの長男で、ミステリーサークルを発見し宇宙人説を信じ、グラハムに検証を説明するが、なかなか信じてもらえません。しかし、宇宙人と遭遇し持病の喘息が発症。薬を取りに行くことができず瀕死の状態に陥ります。

ロリー・カルキンの主な出演作品

『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』2000年、『グロムバーグ家の人々』2003年、『さよなら、僕らの夏』2004年、『Jack Goes Home』2016年 テレビドラマ

ボー役:アビゲイル・ブレスリン

ボー役:アビゲイル・ブレスリン

グラハムの長女で、コップに水を入れて様々な場所に置く不思議な少女。しかし、その行為が後に家族を救うことに。いつも可愛らしいドレス姿で和ませてくれる、家族の太陽のような存在です。信仰心がなくなって初期時の前のお祈りをしなくなったグラハムに、強い悲しみを抱いて泣く場面も。

アビゲイル・ブレスリンの主な出演作品

『リトル・ミス・サンシャイン』2006年、『幸せのレシピ』2007年、『ゾンビランド』シリーズ 2009~2019年、『マギー』2015年

パスキー(警官)役:チェリージョーンズ

パスキー(警官)役:チェリージョーンズ

グラハム家と親しい女性警察官。グラハムのことを心配し、牧師に戻るように説得します。

チェリー・ジョーンズの主な出演作品

『エリン・ブロコビッチ』2000年、『オーシャンズ12』2004年、『24 -TWENTY FOUR-』2009~2010年 テレビドラマ、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』2018年 テレビドラマ

レイ役:M・ナイト・シャマラン

レイ役:M・ナイト・シャマラン

グラハムの妻であるコリーンを誤って轢いてしまいます。自責の念からグラハムに何度か謝ろうとしますが、なかなか実行できずに苦悩しますそれでも宇宙人が現れるとグラハムに宇宙人の弱点を真っ先に知らせに行きます。更に、グラハムに事故の原因を打ち明けると、町から出ることを告げます。

M・ナイト・シャマランの主な監督作品

『シックス・センス』1999年、『アンブレイカブル』2000年、『ハプニング』2008年、『デビル』2010年、『ミスター・ガラス』2019年

その他の登場人物

コリーン役:パトリシア・カレンバー

コリーン役:パトリシア・カレンバー

教授役:クリフォード・デビッド

教授役:クリフォード・デビッド

ネイサン役:ラニー・フラハーティ

ネイサン役:ラニー・フラハーティ

ネイサン夫人役:マリオン・マッコリー

ネイサン夫人役:マリオン・マッコリー

トレーシー役:メリット・ウェヴァー

トレーシー役:メリット・ウェヴァー

カニンガム役:テッド・サットン

カニンガム役:テッド・サットン

ライオネル役:マイケル・ショーウォルター

ライオネル役:マイケル・ショーウォルター

“サイン”の制作スタッフ

  • 監督:M・ナイト・シャマラン
  • 脚本:M・ナイト・シャマラン
  • 制作:M・ナイト・シャマラン、フランク・マーシャル、サム・マーサー(英語版)
  • 製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
  • 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
  • 撮影:タク・フジモト
  • 編集:バーバラ・テュライヴァー
  • 制作会社:タッチストーン・ピクチャーズ、ブラインディング・エッジ・ピクチャーズ(英語版)、ザ・ケネディ/マーシャル・カンパニー
  • 日本公開:2002年9月21日
  • 興行収入:4億800万ドル(約448億円)

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Muku
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  • 大好きなハリウッド映画の感想やハリウッド俳優・女優さんのニュース、紹介などを少しずつ更新しています。