死の誕生日がループする!「ハッピー・デス・デイ」

ハッピー・デス・デイ

ハッピー・デス・デイの概要

「ハッピー・デス・デイ」は2017年に公開されたアメリカ映画です。監督は「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのクリストファー・B・ランドン。本格的ホラー作品を作るランドン監督、今作品では恐怖の中にコメディの要素を感じさせるという、新しい感覚のホラー作りに徹したようです。製作に当たり、参考にしたと言われる映画「恋はデジャ・ブ」「グーニーズ」「バック・トウ・ザ・フューチャー」などの影響は大いにあるようで、最後まで飽きさせない展開に引き込まれます。当初B級映画と思っていた誰しもが絶賛し、結果「ハッピー・デス・デイ」の評価は高く続編も製作されました。

主人公の女子大生が、誕生日を何度も繰り返すストーリー。タイトルは、ハッピー・バースデイならぬ「ハッピー・デス・デイ」。そして2年後の2019年に公開された続編は、「ハッピー・デス・デイ2U」。ハッピー・バースデイ、ツウーユー♪ですよ。しゃれています(笑)主人公役のジェシカ・ローテのはっちゃけぶりは見事で、彼女自身が大きな見所と言えるでしょう。

日本での公開は、1作目が2年後の2019年6月とかなり遅かったのですが、続編は2019年7月に公開されています。つまり、1ヶ月おいて2作品を鑑賞出来たという事になります。ストーリー的には繋がっているので、これは逆に解りやすいと言えるかもしれませんね。因みに1作目のアメリカ公開日は、2017年10月13日の金曜日。正にホラーの日でした。

ハッピー・デス・デイのあらすじ

ある朝、女子大生のツリーは見知らぬ男子のベッドで目を覚ます。彼は同じ大学のカーターと名乗るが、ツリーには記憶が全くありません。いつも自由でやりたい放題の彼女は、夕べのパーティーで酔っ払い過ぎた、と別段驚かない様子。それよりも激しい頭痛で一気に不機嫌になると、父親からの電話を無視し部屋を出て行きます。

ツリーが男子寮から出て女子寮に向かう道すがら、何故か沢山の面倒くさい事が起き始める。最初は怪しいサングラスの男に睨まれ、次ぎに地球温暖化の署名を求める女。まったりしていた恋人達の横では、スプリンクラーが突然作動、更に車の盗難防止ブザーがいきなり鳴り出し、先輩にお説教されていたクラブの男子がぶっ倒れる。横目で見ながらもやり過ごし、女子寮の入り口で誰かに挨拶されても返事もしません。

やっと部屋に辿り着くと、ルームメイトのロリが「誕生日おめでとう」と手作りカップケーキを見せます。どうやらサプライズだったのに、ツリーには面倒だったらしく、なんとケーキをゴミ箱へ!そのまま不倫相手の教授がいる学校に行ってしまいました。(ほんとうに性格が悪すぎる)しかしこんな奔放なツリーが、唯一逆らえない相手が寮長のダニエルです。女子力が高い彼女は、とにかく強引でマイペース。今夜のツリーの誕生日パーティーも仕切り放題です。似たもの同士は気が合うのか、最初は断ったツリーも夜になるとおしゃれをしてパーティー会場に向かいます。

ドレス姿で薄暗い遊歩道をひとり歩いていると、なんとなく誰かに見られるような気配を感じます。しかも途中にある短いトンネルがやけに気になり、思わず足早に。すると突然オルゴールが道の真ん中に現われ、ハッピーバースデイのメロディを奏でました。流石に怖くなり走ってトンネルを抜けると、目の前には赤ちゃんマスクをつけた男。次の瞬間、大きなナイフがツリーめがけて振り下ろされた!

朝になり、見知らぬベッドで目を覚ますツリー。そこは、カーターと名乗る男子の部屋でした。父親からの電話を無視し、頭痛薬を貰い部屋を出ます。その時金髪男子が飛び込んで来る。なんとなく不思議な感覚に陥りながら、男子寮を出て歩く。目の前ではサングラスの男、署名を求める女、スプリンクラー、車のブザー、倒れる男子と次々面倒な光景が繰り広げられていきます。この時は、何が起きているのかまだ解らないツリーでした。

「グーニーズ」顔負けの娯楽ホラー!

ずっと気になりながらも避けていた映画でした。タイトル画像のベビーマスクがスプラッターホラーを連想させ、低予算のB級映画だろうと思い込んでいたのです。まあ低予算作品でも、もの凄く優秀な映画は多々ありますから、試しにと見てみた訳です。
ところがです、面白いのですよこの映画。全く期待を持たずにいたのですが、見始めると一気に引き込まれる内容。それに加えて、主役のジェシカ・ローテがとても良かった!見た目は可愛い女子、しかし毎日記憶を失うまでのんだくれ、男も好き放題。こんなサイテーな女子大生を、見事軽快に見せてくれます。

周りのキャスト達もジェシカに負けず劣らずの演技で、ストーリーはただのホラーではなくアドベンチャー的に展開していきます。懐かしい「グーニーズ」を彷彿とさせるような(笑)。全然怖くないの?と思われそうですが、アメリカホラーの残虐性も時折あって見応え充分だと感じます。娯楽映画として大いに楽しめるホラー、続編の「ハッピー・デス・デイ2U」と合わせて視聴してみてください!

「ハッピー・デス・デイ」トリビア

殺人犯が被るお面は豚の予定だった!?

殺人犯が被るお面は豚の予定だった
ランドン監督が参考にした沢山の映画のなかに、「スクリーム」があります。この作品で登場したゴーストフェイスのお面をデザインしたのがトニー・ガードナーで、「ハッピー・デス・デイ」用のデザインも担当することに。当初ガードナーが作り上げたのは豚の顔でしたがどうもしっくりしません。監督はちょうどパパになったタイミング、ふざけて赤ちゃんのお面を被っていると、スタッフ全員がそのイメージだと意見を一致させます。危うく豚のマスクがトレードマークになるところでした。

エンディングは作り替えられた

エンディングは作り替えられた
最初の予定では、ループから抜け出たツリーが病院に入院、安堵した所を不倫相手のバトラー教授の妻に殺されるというものでした。しかしまたもループにはまるというアイディアは、流石にきりがありませんよね。そしてツリー自身も、物語の後半では優しい女性へと変わっていたので、もう簡単に殺すのは酷すぎます。試写会でも不評で、監督は現在のエンディングに撮り直す事になったのです。

「ハッピー・デス・デイ」の制作陣とキャスト

監督:クリストファー・B・ランドン

監督:クリストファー・B・ランドン
1952年生まれのアメリカの監督・脚本家です。父親は、テレビドラマ「大草原の小さな家」で一家の父を演じたマイケル・ランドン。そして兄と妹もそれぞれ俳優や監督ですが、妹の娘が本作に出演しているレイチェル・マシューズ!あの個性的なダニエルを演じた女優は監督の姪っ子だったのですね。また、ランドン自身はゲイを公表しており、インスタには2人の息子と夫の写真を沢山アップしています。

監督の主な作品(脚本・製作含む) 2010年「パラノーマル・アクティビティ2」2011年「パラノーマル・アクティビティ3」2012年「パラノーマル・アクティビティ4」2014年「パラノーマル・アクティビティ呪いの印」2015年「ゾンビワールドへようこそ」2017年「ハッピー・デス・デイ」2019年「ハッピー・デス・デイ2U」2020年「ザ・スイッチ」2021年「パラノーマル・アクティビティ7」など。



プロデューサー:ジェイソン・プラム

プロデューサー:ジェイソン・プラム
1969年生まれ、アメリカの映画・ドラマのプロデューサーです。自身で設立した会社「ブラムハウス・プロダクションズ」では、主に低予算のホラー映画やドラマ作品などを手掛けます。今作「ハッピー・デス・デイ」の製作発表でのプロデューサーは、「トランスフォーマー」シリーズで知られるマイケル・ベイの予定でした。また主役のツリー役も、ミーガン・フォックスの予定だったのですが、何らかの事情により変更されました。最終的にジェイソン・プラムがジェシカ・ローテを迎え撮影がスタート。結果を見ると、ジェシカは役にピッタリだったような気がします。

ジェイソン・プラムが手掛けた主な作品 「パラノーマル・アクティビティ」シリーズ、「インシデイアス」シリーズ、「パージ」シリーズ、「セッション」「ゲット・アウト」「ハッピー・デス・デイ」シリーズ、「ハロウィン」シリーズ、「ミスター・ガラス」「スプリット」「透明人間」「ブラック・フォン」など。



テレサ・ゲルブマン(ツリー)役=ジェシカ・ローテ

テレサ・ゲルブマン(ツリー)役=ジェシカ・ローテ
1987年5月28日、アメリカ・コロラド州デンバーの生まれです。アメリカ人にしては小柄な、身長163センチ。祖母が劇場の女優だったことから演技への興味を深め、大学卒業後には女優のキャリアをスタートさせます。
テレビドラマ「ゴシップ・ガール」や「ブルーバラッド」等に出演し、その後アカデミー賞作品賞に輝いた「ラ・ラ・ランド」のキャストに抜擢されます。役柄はエマ・ストーンのルームメイトのひとりでしたが、残念ながらあまり目立たちませんでした。翌年公開の「ハッピー・デス・デイ」がヒット、続編「ハッピー・デス・デイ2U」も続投で顔を知られる様になりましたね。
プライベートでは、長く付き合っていた俳優エリック・クレムと2019年に結婚。ふたりは互いのSNSで、可愛らしくて仲良の良い姿を見せています。



カーター・デイヴィス役=イズラエル・ブルサート

カーター・デイヴィス役=イズラエル・ブルサート
1994年8月22日、アメリカ・ミシシッピ州、ガルフボート生まれです。コメディ映画やドラマの出演を経て、2013年公開のソフィア・コッポラ監督作品「ブリングリング」にキャスティングされます。この作品は実際に起きたセレブ邸の強盗事件のお話で、エマ・ワトソンとの共演でした。イズラエルは10代の強盗犯を見事に演じ、演技力を評価されています。
その他の出演、「好きだった君へのラブレター」「エクステインクション 地球奪還」など。



ダニエル・ボーズマン役=レイチェル・マシューズ

ダニエル・ボーズマン役=レイチェル・マシューズ
1993年10月25日、アメリカ・ロサンゼルスの生まれです。祖父がマイケル・ランドン、父がブライアン・マシューズ、母がレスリー・ランドン、叔父がクリストファー・B・ランドン監督と、芸能一家。
身長160センチの52キロで、ジェシカ・ローテよりも小柄です。女子力高い系の威圧的な美女を演じたせいか、見た目はもっと大きく感じますね。「ハッピー・デス・デイ」が映画デビューで出演作品は多くありませんが、テレビドラマやアニメーション映画「アナと雪の女王」で声優をするなど、徐々に活躍の場が広がっているようです。



ロリ・シュペングラー役=ルビー・モデイーン

ロリ・シュペングラー役=ルビー・モデイーン
1990年7月31日、アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルスの生まれです。父親が「フルメタルジャケット」で知られるマシュー・モデイーン。両親の系列からスペイン・アフリカ・アメリカ・スコットランド・ドイツと多くの血を引いています。身長173センチと、飛び抜けて背が高い訳ではありませんが、劇中では大きな印象を受けますね。
主な出演作品は、映画「サタニックパニック」「サバイバー2024」ドラマ「シェイムレス」など。



現在『ハッピー・デス・デイ』を視聴できる動画配信サービス

配信サイト 視聴方法 無料お試し期間 利用料金
U-NEXT 見放題 31日間 月会費2,189円(税込)
Amazonプライム 見放題 30日間 月会費500円
年会費4,900円(税込)
Netflix 見放題 なし 月会費990円~(税込)
本ページの情報は2023年6月24日時点のものです。
最新の配信状況は各動画配信サイトにてご確認ください。

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