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エピソード11「2人の母親」“Alien” のあらすじ
米国初放送日:2005年12月6日 日本初放送日:2010年11月10日
小学5年生のショーン・ハミルが、病院の前で何者かの車から投げ出される。背中には刺された傷があり、殴打されたような跡もあった。背中の傷は脊柱を傷つけて、一生歩けなくなってしまった。SVUは学校で聞き込みを開始。チャーリー・モナハンという生徒がショーンを虐めていたと情報が入る。しかしチャーリーは、妹のエマと一緒にいたと言う。次にエマに事情を聞くと同じことを言った。当初2人は口裏を合わせていると思われ、チャーリーが第一容疑者に挙がるが、学校の美術室にあったハサミからショーンの血痕が検出され、ハサミを握っていたのは8歳以下の子供だと判明する。SVUでは妹のエマに疑いの目が向けられることに。
その後、エマの戸籍上の両親がレズビアンだと判明。通っていた学校がカトリック系だったため、保護者と学校の間で問題になっていた。オリビアは学校や保護者の考え方に怒りを覚える。被害者であるショーンは、その事でエマを日頃から虐めていたことが判明する。
エピソード11「2人の母親」を視聴した感想
個人的評価:
日本でのタイトルは「2人の母親」ですが、原題が「Alien(エイリアン)」と言うタイトル。何とも面白く興味を引きました。しかし、同性愛者は宇宙人なのでしょうか?そこからこの作品に疑問を持ちました。タイトル自体が差別っぽく感じるエピソードです。
当時も今も、非常に物議を醸すテーマであり、同性愛者の立場で長期にわたる偏見や虐めを受けたことのある人なら、誰でも共感できる可能性がある作品でした。それが悲しいかな、本作ではその可能性もなくなってしまいました。
これは複雑な問題を過大に扱ったもので、同性愛に対する否定的な態度がいまだに存在するのは承知の上です。しかしこの作品は、偏見をテーマにしながらも、偏見を悪しきものとする側が偏見に満ちていて、SVUのエピソードとしては非常に珍しいケースです。エピソード6の「危険な革命家」では、偏見に満ちたキャラクターが登場し、過酷で難しいテーマでしたがストーリーはもっと慎重に扱われており、機転の利いた表現がなされていました。シーズン7は、素晴らしいエピソードと残念なエピソードが、極端に入り混じったものになっています。そして個人的には、本作はこのシーズンのワースト1であるだけでなく、これまでの作品で最も嫌いなエピソードの1つになってしまいました。
良い点もありました。レギュラー・キャラクターの何人かの視点を示すときに、示唆に富むセリフがある。特にマンチの「神と戦った」というセリフ。一つの例外(ステイブラーの宗教絡みのセリフ)を除いて、演技はとても良かったです。他のレギュラー陣の誰にも不満はないし、特にゲストのエイミー・ピエッツ(ゾーイ役)の演技には胸を打つものがあります。
本シリーズで物議を醸すような複雑なテーマを扱う際には、より機転を利かせ、繊細に対処するもの。しかし、このエピソードでは非常に乱暴に扱われ、一方的であるように感じられました。「2人の母親」では、特定の宗教が同性間恋愛の教えを悪とすることを良しとするか否かを、ほぼすべてのキャストが言及するなど、行き過ぎた表現をしていて、それがはっきりと表れていました。極めつけは、ゾーイとエマのベッドでの不思議な行動です。あのシーンを入れた時点で最悪のストーリーになることはわかっていたのではないでしょうか。エイミー・ピエッツの好感の持てる演技は、このシーンで水の泡となりました。
これまでのSVUは、他の多くのエピソードで複数の視点を表現し、両側から見ることができたが、ここでは殆どが一面的です。エマの生い立ちを強調することで、犯罪の要素が完全に影を潜め、本来あるべき力強いエピソードではなく、序盤は良かったのですが、すぐに荒唐無稽で著しく現実から遠ざかってしまいました。一方的で強引、同情すべき人物に嫌悪感を抱いてしまうストーリー展開に(ゾーイとエマの部分)。特にエマとゾーイの関係やエマと祖父母の関係など、一貫性のない脚本で、彼女の意思がないように感じらました。ラケル・カストロ(エマ役)の演技は時に過剰で、今まで登場した弁護士の中で最もプロ意識に欠けた弁護人は、SVUに相応しくないキャラクターだと感じました。
最後にまとめると、このエピソードはSVUの作品には程遠いと思いました。
エピソード11「2人の母親」のゲスト
エイミー・ピエッツ=ゾーイ・ダンロップ役
エイミー・ピエッツ(1969年3月6日生まれ)は、テレビでの活躍で知られるアメリカの女優である。看護師のナンシーとトラック運転手のアーノルド・ピエッツの養女として、ウィスコンシン州ミルウォーキーで生まれる。幼少期からバレエの訓練を受け、プロになる準備をしていたが、給料の安さから結局断念し、別のところに軸足を移した。ミルウォーキー芸術高校に通い、デポール大学のシアタースクールを卒業した。
NBCのシットコム『キャロライン in N.Y.』(1995~99年)のアニー・スパダロ役で、映画俳優組合賞のコメディシリーズにおける女性俳優の優れた演技にノミネートされた。その後、NBCの短命のシットコム『Cursed』(2000~01年)、ABCの『Rodney』(2004~06年)、CWの『Aliens in America』(2007~08年)で主役を演じた。
ラクエル・カストロ=エマ・ボイド役
ラクエル・カストロは、アメリカの女優、歌手である。父親はプエルトリコ人で、母親はイタリア人とユダヤ人の血を引いている。
2004年の映画『世界で一番パパが好き!』で、オリー・トリンケ(ベン・アフレック)とガートルード・スタイニー(ジェニファー・ロペス)の娘、ガーティ・トリンケ役を演じ、ヤングアーティスト賞の長編映画部門(10歳以下の若い女優)の最優秀演技賞を受賞したことで知られる。 アメリカ版『ザ・ヴォイス』に出場している。
スティーヴン・ボガーダス=ジェームズ・デッカー弁護士役
スティーヴン・ボガーダスは、1954年3月11日生まれのアメリカ合衆国の俳優である。バージニア州ノーフォークで生まれたボガーダスは、1972年にチョート・ローズマリー・ホールを、1976年にプリンストン大学を卒業し、プリンストン・ナスーンやプリンストン・トライアングル・クラブのメンバーであった。
ボガーダスはHBスタジオで演技を学んだ。最初の役は、コネチカット州グリニッジのマッカーサードライブで行われた『ロビン・フッド』の地元公演で保安官の部下の一人として登場した。
1979年、ジョセフ・パップのパブリック・シアターで行われた映画『シェルブールの雨傘』の舞台化作品で、初めてニューヨークの舞台に立った。ブロードウェイでは、『ウエストサイド物語』(1980年)、『レ・ミゼラブル』(1987年11月~1988年6月、グランテール役)などがある。2008年には、2005年にボストンのワン・センターで、2006年にセントポールで上演した『ホワイト・クリスマス』のブロードウェイおよび米国ツアー公演でボブ・ウォレス役として主演した。
テレビ出演は、昼メロの『Another World』『オール・マイ・チルドレン』『ガイディング・ライト』での小さな役や、プライムタイムの『女刑事キャグニー&レイシー』『Law & Order』などのシリーズへのゲスト出演が多数ある。
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